公開日:2018.05.18
第三回 高校生俳句鍛錬会(高俳鍛)開催
第三回 高校生俳句鍛錬会(高俳鍛)開催
日時:二〇一八年三月十八日(日)九~十七時
場所:愛媛新聞社 七階中会議室
◆ 参加者 ◆
愛 光 中井②・荻野①
松山西 福原⑤・日高⑤・岡田(中③)
松山東 武田①・森貞①・三瀬(通信)
コーディネーター 松山東顧問 森川 (以上九名)
◆ 内容 ◆
【午前】句会(花五句投句)・季語研究(桜)
【午後】季語研究(花)・討論練習(十二句)
添削・推敲案の提示
◆ 句会報 ◆
第三回高俳鍛では、花五句を持ちよって句会を実施した。感性の良かった作品を紹介したい。
【天】
花の庭梵字のように曲がる祖父松山西五年 日高
花降れば海馬撫でられたる心地松山西五年 日高
梵字・海馬などの語彙を使いこなしている。前者は比喩俳句だが、高齢の祖父に対する畏敬の念が、梵字の神聖さに仮託されている。後者は花びらが記憶を掌る海馬を撫でることで、生来の記憶に加え、遺伝子に通底する人類の記憶を呼び覚ましてくれる。ただし、「心地」を我慢し、撫でられてしまったらもっと佳い。
【地】
児童館二階テラスを飛花落花愛 光二年 中井
花冷えやレールの継ぎ目越す震へ愛 光二年 中井
テラスに出るまでの暗さが花の明るさの演出になっている。児童館の中の鮮やかさもよい。冷えた「レール」の硬さを体感する繊細さが「花」の季節らしい。
【人】
花の昼奔る誰かの平手打ち松山西五年 福原
脊椎を駆ける悲しみ花の雨松山西五年 福原
奔る広がり、駆ける不可逆性がよろしい。
城山は花の天井花の屋根松山東一年 森貞
花の散るシートの熱に向いて散る松山東一年 森貞
城山へ登った確かさ、シートの音が効いている。
【佳作】
陽の透かす人間の脈花の脈愛 光二年 荻野
人間の群れは目を開け花盛り松山西三年 岡田
腹筋の寝湯に並びて山桜松山東一年 武田
花の夜川は堰き止められたまま松山東通信 三瀬
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